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佐野日本大学中等教育学校

コミュニティ

【校長室だより】

 本校では、明日から1年生が国内短期研修(林間学校)で裏磐梯へ2泊3日の日程で出かけます。また来週の9月28日(木)にはいよいよ日本大学基礎学力到達度テストが実施されます。そして10月7日(土)をもって前期が終了し、10月11日(水)からは後期に入ります。

 ところでここのところ、日本のスポーツ界がにぎわっていますね。日本の代表チームの活躍は、バスケットボールにしてもラグビーにしても、本当に嬉しく、体に力が湧いてくるように感じます。

 どの競技の選手も、いわゆる“現役”でいられる期間がほぼ決まっていますね。それを決めるのが、筋力、持久力、柔軟性、関節の耐久力、動体視力、敏捷性、回復力などの身体的要素、その競技に特有の様々な技術的要素、さらに判断力、計画性、観察力、洞察力や闘志といった精神的要素、そしてチームメイトやコーチ、あるいはファンとのコミュニケーション能力といった社会的要素です。どの競技の選手も、細心の注意を払い、最大限の努力をその4つの分野に注いでいます。

 私が特に注目したのは、コミュニケーション能力などの社会的要素です。テレビで見ている限り、結果を出すアスリートは、総じてコミュニケーション能力が高いと感じます。チームスポーツでは仲間とのコミュニケーションが必要なのは論を待ちませんし、たとえ個人競技であっても、自分のコンディションを的確に監督やコーチに伝えることは、試合の勝敗やケガの予防に直接つながっていきますね。

 コミュニケーション能力とは、「内観力(自分の内面を見る力)」、「観察力(相手の感情や、現在の状況などを的確に捉える力)」、「分析力(とらえた情報を分析し、対策を立てる力)」、「表現力(様々な案件を状況や相手に応じて的確に言語化し表現する力)」などの総合力です。極めて高い能力ですね。ちなみに、人類には鋭い牙や爪も、空を飛ぶ翼も、水中で呼吸できるエラも、速い脚も、毒もありません。人類が絶滅しなかった大きな理由の一つには、このコミュニケーション能力(伝える力)や学ぶ力にあったろうと思います。

 SNSが一般化して、人間のコミュニケーションのありかたも変わってきましたが、だからといって先の内観力、観察力、分析力、表現力が必要なくなったとは言えないと思います。いや、人間の能力を凌駕するチカラを持ちつつある生成AIの出現を見ると、ますます人間のコミュニケーション能力は重要だと感じます。

 様々な試験や行事が続く学校でも、実はコミュニケーション能力を磨くチャンスは無数にあります。生徒の皆さんには、「テストがあっていやだな」、「行事は面倒くさいな」と感じても、その一つ一つが実は人間としての大切な能力を磨くチャンスなのだと思いなおして、しっかり取り組んでいってほしいと思います。 (次回10月7日更新予定)