【4年生】日光研修こぼれ話
季節も秋から冬へと移り、冬休みも近づいて参りました。
一足早く冬を感じた日光研修のこぼれ話、まだまだ続きます!
今回は、1日目のトレッキングコースでの一幕です。
光徳牧場コースの班も同じく湯滝からスタート。湯滝から流れる湯川を渡ってまずは戦場ヶ原をめざします。
ところが、ガイドさんの提案で私たちの班は、あえてコースをはずれて下草の生いしげる茂みの中へ。
藪の中を分け入って進んだ先には、湧き水が川となって流れだす「川の始まりの場所」がありました。
こうした水源から湧き出た水の流れが無数に合わさり、中禅寺湖となり華厳の滝となっていくわけです。
自然が、時間をかけて作りだす営みは、他の場面でも見出すことができました。
左下の写真の二本の木は、根っこが浮き上がったようになって絡み合っています。
これは「倒木更新」と言われるもので、倒れた木の上に親木の種が落ち、それが育った樹木の姿です。
苗床となった倒木は腐って形がなくなってしまうため、根っこが浮き上がったようになるそうです。
SDGs研修旅行ということもあり、自らが次の世代の礎となる樹木の姿に胸を打たれました。
またガイドさんは、右上の写真に写っている謎の物体を倒木からもぎ取って見せてくれました。
ヒントは「森のお掃除屋さん」で、答えは「サルノコシカケ」でした。
こうしたキノコなどの菌類が、倒木を分解して土へと還元していくそうです。
さまざまな生き物が長い年月をかけて作り上げてきた、無駄のない素晴らしいサイクルの中で、
私たち人間には、どんな役割ができるのだろうかと考えさせられました。
ガイドさんはこんな意味のこともおっしゃっていました。「自然を守りすぎることも問題で、
奇麗に整備された自然、自分とは縁遠いところにある自然では、他人事で終わってしまう。
人間も自然の一部であり、その中に入ってみて初めて本当の姿や問題点が見えてくるものです。」