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佐野日本大学中等教育学校

コミュニティ

【校長室だより】

 今月、本校では希望者による東北研修(10月8日~10日)、5年生の海外研修(10月16日~23日)、芸術鑑賞会(10月25日)が無事に終了し、また本日は第2回目となる防災教育が実施されました。

 学校での営みには、すべて教育的目標がありますが、「何かを得ること、身に付けること」そのものよりも、そこに至る過程(プロセス)にこそ重要な意味があります。私はその中でも特に「聴くこと」に重きを置くといいなと思っています。

 実は私は、教師になる前はある企業に勤務し経理部に所属していました。全ての業務がそうであるように、経理の仕事にもミスは許されません。経理の仕事の相手は数字です。数字が一つ違っても大変なことになります。企業内でもそうですが、他の企業や商売相手へのミスとなると、「ごめんなさい」ではすまされません。場合によっては、自ら責任を取らなければならない場合もあります。これは大学を出たばかりの新入社員でも、まったく同じです。毎日の業務の中で大学を出たばかりの私は、上司の指示を一言も聞き漏らすまいと集中して聴き、そしてメモを取りました。しかし、聴いて記録を取ってもその業務が具体的に何をどうする事なのか、イメージすることすらできません。すべて未知のことですからね。でも、業務の最初にくる「聴くこと」がしっかりできなければ、そこから先は推して知るべしです。

「聴くこと」がすべての始まりです。大きく捉えれば「情報に対する集中力」ですね。これがしっかり習慣になってくると、「できること」が増えてきます。これは間違いありません。

 過去に教えてきた生徒たちで、大学入試で希望をかなえた生徒は、授業中に大事なポイントになるとサッと顔が引き締まって、真剣な表情で聴いていたことを思い出します。この点について、例外はありませんでした。

 「聴くこと」は意識づけが難しい。でも、逆に言えば、意識していれば誰にでもできることです。

 さて、学校では、6年生は受験も迫ってきています。4・5年生は各種模試が続きます。また、漢字検定、数学検定、英検二次試験、そして11月の中旬には後期中間試験が予定されており、またその後には4年生、3年生の国内研修が待っています。聴くことを中心に、目前の情報に集中する「学びの秋」であってください。                     (次回11月9日更新予定)