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佐野日本大学中等教育学校

コミュニティ

【校長室だより】

 後期期末試験が終わりました。6年生は卒業式まで残り12日、1~5年生は修了式まで残り28日となりました。令和4年度も終盤ですね。

 本校は二期制ですので、一年のなかでゴールデンタイムが3回あります。一回目は前期中間試験後から夏休みの終わりまで、二回目は後期中間試験後から冬休みの終わりまで、そして三回目は後期期末試験後から春休みの終わりまでです。

 このゴールデンタイムは、メンテナンスとアップデートの時期です。それまでを振り返り、穴になっている部分を埋め、そして次の準備をする時間です。プロ野球ではよくシーズンオフにキャンプをしますね。冬が多いのですが、暖かいところに行き、体力づくりや弱点の克服などに努めます。それが来季のプレイのもとになるわけですね。今日から皆さんはゴールデンタイムに入ります。さあ、何に使いますか? この貴重な時間を。

 このことは、1~5年生はもちろん、6年生にとってもまったく同じです。3月1日に卒業式を迎えるわけですが、すでに進学先が決まっている6年生は大学進学のための事務的、物理的な準備はもちろん、専門的な勉強も始まるわけですから、基礎知識の確認や、多様な読書など、できることはたくさんあります。またこれから前期試験や後期試験など受験をする皆さんはそのための勉強に集中すべきです。

 さて、この時期にいつも思い出すことがあります。それは、私が以前担任をした生徒たちのことです。長い間担任として、あるいは学年主任として、多くの生徒に関わってきました。最近は教師を目指す学生が少ない傾向があるようですが、私はこの仕事が大好きです。一人一人の人間の成長に関われる素晴らしい仕事だと思っています。そんななか、卒業式の前後には、今では立派な大人として、仕事に、子育てに取り組んでいる卒業生たちの在校生時のことを感慨と共に思い出すのです。

 人は、きっかけ一つで本当に変わる。ある生徒は人間関係の葛藤で、ある生徒は心に響く読書で、ある生徒は教師の一言で、ある生徒は受験勉強で、仕事で、恋愛で、結婚で、子どもの誕生で、子育てで、病気や事故で、・…。私自身もそうですが、人生とは一つの魂の成長の歴史です。

 しかしよく考えてみると、誰かに何かを言われたから変わる、何かがあったから変わるとは言えないのではないか。つまり、誰かに何かを言われらすぐに変わるのでなく、何かを言われて、本人が「変わろう」と強く思ったから変わったのだと思います。ということは、本人のなかに、「変わろうとする種」のようなものがあることが前提だということになります。

 私は、この「変わろうとする種」は誰もが持っていると思います。その種の中には例えば「今の自分に対する不満足感」もその一つだと思っています。「こんなもんでいいや」と思っていたら、つまり現状に何となく満足していたら「変わろうとする種」は芽生えません。おそらく誰もが心の底に、「自分はもっと変わって行こう(成長していこう)」「このままではいけない」という種を持っているはずです。

 卒業してゆく6年生の皆さんも、4月から次の学年に進む1~5年生の皆さんも、今の学年でいるうちに、このゴールデンタイムを生かして、自分の心をよく見つめて、「このままの自分でいいのか?」と自分自身に問いかける時間を持ってみてください。そうすると、何かに出会った時に、大きく変われるかもしれません。  (次回3月3日更新予定)