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佐野日本大学中等教育学校

コミュニティ

【校長室だより】芦畦獅子舞

芦畦獅子舞

 先月16日(日)に、私の生れ育った佐野市並木町花岡で、今から約750年前から伝わる「芦畦獅子舞(あしぐろししまい)」の例祭が行われました。昨年までコロナ禍のため中止を余儀なくされていましたが、今年は4年ぶりに実施することができました。なお、「芦畦獅子舞」は市の無形民俗文化財第1号として指定されています。

 この獅子舞は三頭立て(親獅子、雌獅子、子獅子)で太鼓を付け、太刀持ちや御幣持ちササラなどを伴って、午前8時に町内にある薬師堂を出発します。獅子舞一行は、笛に合わせて太鼓を叩きながら町内をねり歩きます。町内に通じる街道の入り口などで厄除の舞いを納めたり、約70戸ある町内の家々を一軒一軒回り、「五穀豊穣、無病息災、厄除」を祈願して家の前で舞い、最後には必ず親獅子が太刀を持って荒々しく舞う<切り祓い(厄祓い)>が披露されます。踊り子の交替や休憩を挟みながら夕方5時過ぎまで続けられ、最後は‟凱旋“を表現する笛の音に合わせ力強く太鼓を叩きながら再び朝出発した薬師堂に帰ってきます。

  <笛を先頭に薬師堂を出発>                              

                                      

<家々を回って舞いを披露>               

             

                              

 実は、私も中学2年生から大学生までの間、獅子舞を踊っていました。担当は親獅子で、行く先々で必ず太刀を持って“切り祓い”を披露していました。幼いころから舞いを見ながら、笛の音、太鼓の音を聞いて育った者にとって、4年ぶりに行われた「芦畦獅子舞」は本当に嬉しく感激しました。

 ところで、今月27日(日)は、この「芦畦獅子舞」が10年に1度行われる「例大祭」の日に当たります。この時に、新調した道具類を披露したり、今回初めて踊りを習った小学生や中学生が近くのお寺や神社で舞いを初披露し奉納します。そして次の10年のための大切な引継ぎの日でもあるのです。以前は、獅子頭を覆う羽根も新調していましたが、今では羽根の確保が難しくなり10年毎には行われなくなりました。

 上の写真下段の右奥に写っている「大うちわ」がありますが全部で3つあります。この「大うちわ」には獅子舞の踊りと踊りの僅かな間に大汗をかいた踊り子を扇ぐための大切な役目があります。「大うちわ」ももちろん新調するのですが、今の時代、うちわに絵や文字を描く職人さんがなかなか見つからないということで町内会長様より、本校の「美術部や書道部で作成してもらえないだろうか?」という話がありました。私の生れ育った町の伝統芸能がいつまでも継承されるのに少しでもお役に立てればということで、喜んで引き受けさせていただきました。夏休みに入り、美術部員や顧問の先生方が作成に熱心に取り組み、3つの新しい「大うちわ」がお盆前に完成し引き渡すことができました。当日は出発前に「大うちわ」の紹介とお披露目があるということです。

 今度の「例大祭」もまだまだ暑い中で行われますが、もし興味を持たれた方がいらっしゃいましたら見に来ていただければと思います。生徒たちの作成した「大うちわ」3つも、「芦畦獅子舞」に最初から最後まで付き従っていきます。是非ご覧ください。