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佐野日本大学中等教育学校

コミュニティ

【校長室だより】

2025 芦畦(あしぐろ)獅子舞

 

 6月15日(日)は、私が生まれ育った佐野市並木町花岡町内で、「五穀豊穣、無病息災、厄除」を願って舞う、伝統の「芦畦獅子舞」の例祭が行われました。2年前の「校長室だより」では、10年に1度行われる「例大祭」の様子なども記しましたが、毎年行われる例祭はこれまでの慣例を改めて、今年は1か月前倒しで実施されました。理由は、7月下旬の厳しい猛暑の中で、踊ったり、笛を吹いたりする人たちの健康、安全を考えてのことでした。実施時期を変更するのは長い歴史の中でもちろん初めてです。

当日の朝は雨模様でした。午前8時、佐野市長や教育長など来賓の方々を招いての開会のセレモニーが始まった頃には小雨となり、出発場所の薬師堂(花岡町公民館)前で奉納の舞いを披露する頃にはすっかり雨も上がり、夕方4時過ぎまで町内約70ある家々を一つ一つ回り、太刀や幣束などを持って三頭の獅子が舞うことができました。

私が子どもの頃の「芦畦獅子舞」の日は、家では朝から赤飯を炊き、炭酸饅頭を作り、ご馳走を用意して、親戚や知人を招いてもてなすのが常でした。そして最後は必ず母が打ったうどんを客人に振舞いました。私自身も、とにかく大勢の客が来るのと、特にいとこ達と会えるのが嬉しくてワクワクして過ごした記憶があります。おそらくどこの家でも同じように客人をもてなし、賑やかにお祭りを楽しんでいたと思います。それだけ、この「芦畦獅子舞」は花岡に住む人たちにとっては特別で大切なものでした。しかし、今では昔のような賑やかさはなくなり、少し寂しい感じはしますが、それでも、この獅子舞の太鼓や笛の音が聞こえてくると、昔を思い出し懐かしい気持ちになり、舞いを見れば今も昔も変わらず清々しい気持ちにしてくれます。

長い歴史を持つ「芦畦獅子舞」も、少子化の影響で、踊り手が少なくなっているという課題はありますが、これからも花岡町の人たちが力を合わせてしっかりと守り受け継いでいくものと思っています。

今週は猛暑が続いています。18日にはここ佐野市でも今年初めての猛暑日を記録しました。今日から市内の各会場で中体連の各競技が行われます。選手諸君はとにかく熱中症には十分気をつけて、日頃の練習の成果を存分に発揮してほしいと思います。(2025.6.19)

 

▲01 薬師堂での奉納の舞い       ▲02 我が家にやって来る一行

▲03先 頭はいつも笛です        ▲04太刀を持って切り祓いの舞い