【教育旅行】「3.11を語り継ぐ旅」2022ツアーを実施しました(1日目)
東北教育旅行「3.11を語り継ぐ旅」2022ツアーを、10月8日から10日まで、2泊3日の日程で実施しました。昨年度はコロナ拡大のためにオンライン開催となりましたが、今年は現地に出向いて直接その空気を感じ、多くの人のお話をうかがうことが出来ました。
参加者は34人。普段から東北とZoomなどでつながり、活動しているメンバーです。
今回のツアーでは、次のような行程をとりました。
(1日目)旧大川小学校(宮城県石巻市)でのフィールドワークと、それにもとづくディスカッション
(現地の中高生とコラボ)
(2日目)「アイリンブル―プロジェクト」佐藤愛梨ちゃんの足跡を辿る(宮城県石巻市)
/ 宮城県七ヶ浜町の災害公営住宅の皆さんとの交流
(3日目)宮城県南三陸町でのフィールドワーク
今回は、1日目の模様をお伝えします。
大川小での語り部は、NPO「カタリバ」の佐藤敏郎さん。3.11当日に学校を襲った大津波のことや、亡くなった娘さんのことを、詳しく語ってくれました。献花・黙祷をしたメンバーは、実際に目にした大川小の空気感と、敏郎さんの語りに引き込まれていきます。
敏郎さんの熱のこもった語りのあと、大川小の裏山に登りました。「ここに避難していたら、多くのいのちが助かっただろう」とされる裏山です。メンバーはそれぞれの思いで「現場」を見て、感じ取っていきます。
下の写真は、幅600mの大河、北上川。3.11当日、瓦礫をたくさん含んでこの川をさかのぼった大津波が、奥に見える新北上大橋でせき止められて逆流し、大川小に流れ込んだのでした。
フィールドワークのあと、場所を移して「佐藤敏郎さんのワークショップ」を行いました。敏郎さんはさまざまなアプローチで生徒に問いかけを発し、「なぜいのちを救えなかったのか」を考えさせていきます。メンバーもそれに応え、ディスカッションに励みました。今回は女川町の中学生・高校生も参加して、震災について、いのちについて話し合いました。
「いのちを守る」をテーマに闊達な意見交換をしたメンバーたち。この夜は懇親会も兼ねて、BBQで盛り上がり、多くの友達をつくりました。
BBQで盛り上がった後は、会場になった「ホテル・エルファロ」理事長の佐々木里子さんから、「あの日」のお話をうかがいました。
60年続いた旅館を津波で喪ったこと、行方不明となったご両親のこと、女川の旅館組合再興のこと・・・。ぎっしり中身の詰まった話を聴いて、メンバーは「12年経っても震災は終わっていない」ことを実感したのでした。
こうしてツアー1日目は幕を下ろしました。