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佐野日本大学中等教育学校

校長室だより

【校長室だより】

 学校では本日をもって前期が終了し、10月11日(水)から後期が始まります。本日はまた、生徒各自に通知票が渡されます。前期の自分の勉強への取り組みを客観的に振り返るチャンスですね。

 私たちは物質的世界に生きていますので、「目に見える数字」という物質的結果から逃れられません。成績を上げたいと思っても、それに見合う具体的かつ効果的な努力がどうしても必要です。したがって、生徒たちが本日目にした数字から、「何を使って(教材)、どのように(方法)、いつまでに(期間)、どのような結果を得たいのか(目標)」を設定する必要があります。 10月8日(日)、9日(月)、10日(火)は連休になりますので、単なる休みと考えず、後期への準備期間と捉え、先の「教材・方法・期間・目標」を考えてみてはいかがでしょうか。

 加えて今月は、いよいよ5年生が4年ぶりにイギリスでの研修旅行に出かけます。A班が10月20日(金)から27日(金)まで、B班が10月22日(日)から29日(日)までの日程で、ともにロンドンとストラッドフォード・アポン・エイボンで研修を行います。特にストラッドフォード・アポン・エイボンでは、生徒が2~3人一組でホームステイを経験します。このイギリス研修は、付属中学校時代からの長い実績があり、参加した生徒たちに様々な有形無形の影響を与えてきました。過去にも、このイギリス研修で人生の方向性が変わったという生徒が何人かいます。大学選びや、仕事の選択肢に大きく影響を与えられた生徒たちがいます。

 海外研修等のように、違った環境に身を置くことの最大の効果は、「視野の広がり」にあります。今までの自分の常識が揺さぶられ、「そうか、こういう生き方もあったのか!」と気づくことにあります。しかし、いくら違った環境を用意されても、視野の広がりが発生しない場合もあります。それは、その人のなかに、好奇心や何らかの“変化を求める芽”がない場合です。自分のなかに、「今のままではいけない」、「もっとこうなりたい」といった、現状の自分に対する不満のようなものと(不満だけではダメですね)、将来の自分への希望のようなものが合わさったものですね。そういう意味で、学習成績も、勉強も、この海外研修もすべて一緒です。

 少しずつ気温も下がり、やっと過ごしやすい季節を迎えました。生徒のみなさんには、学校で経験する様々なことを、自分の生き方、あり方を考えるキッカケととらえて、これからの始まる後期、元気いっぱいに学校生活を送ってほしいと思います。 (次回10月17日更新予定)

【校長室だより】

 本校では、明日から1年生が国内短期研修(林間学校)で裏磐梯へ2泊3日の日程で出かけます。また来週の9月28日(木)にはいよいよ日本大学基礎学力到達度テストが実施されます。そして10月7日(土)をもって前期が終了し、10月11日(水)からは後期に入ります。

 ところでここのところ、日本のスポーツ界がにぎわっていますね。日本の代表チームの活躍は、バスケットボールにしてもラグビーにしても、本当に嬉しく、体に力が湧いてくるように感じます。

 どの競技の選手も、いわゆる“現役”でいられる期間がほぼ決まっていますね。それを決めるのが、筋力、持久力、柔軟性、関節の耐久力、動体視力、敏捷性、回復力などの身体的要素、その競技に特有の様々な技術的要素、さらに判断力、計画性、観察力、洞察力や闘志といった精神的要素、そしてチームメイトやコーチ、あるいはファンとのコミュニケーション能力といった社会的要素です。どの競技の選手も、細心の注意を払い、最大限の努力をその4つの分野に注いでいます。

 私が特に注目したのは、コミュニケーション能力などの社会的要素です。テレビで見ている限り、結果を出すアスリートは、総じてコミュニケーション能力が高いと感じます。チームスポーツでは仲間とのコミュニケーションが必要なのは論を待ちませんし、たとえ個人競技であっても、自分のコンディションを的確に監督やコーチに伝えることは、試合の勝敗やケガの予防に直接つながっていきますね。

 コミュニケーション能力とは、「内観力(自分の内面を見る力)」、「観察力(相手の感情や、現在の状況などを的確に捉える力)」、「分析力(とらえた情報を分析し、対策を立てる力)」、「表現力(様々な案件を状況や相手に応じて的確に言語化し表現する力)」などの総合力です。極めて高い能力ですね。ちなみに、人類には鋭い牙や爪も、空を飛ぶ翼も、水中で呼吸できるエラも、速い脚も、毒もありません。人類が絶滅しなかった大きな理由の一つには、このコミュニケーション能力(伝える力)や学ぶ力にあったろうと思います。

 SNSが一般化して、人間のコミュニケーションのありかたも変わってきましたが、だからといって先の内観力、観察力、分析力、表現力が必要なくなったとは言えないと思います。いや、人間の能力を凌駕するチカラを持ちつつある生成AIの出現を見ると、ますます人間のコミュニケーション能力は重要だと感じます。

 様々な試験や行事が続く学校でも、実はコミュニケーション能力を磨くチャンスは無数にあります。生徒の皆さんには、「テストがあっていやだな」、「行事は面倒くさいな」と感じても、その一つ一つが実は人間としての大切な能力を磨くチャンスなのだと思いなおして、しっかり取り組んでいってほしいと思います。 (次回10月7日更新予定)

【校長室だより】芦畦獅子舞Ⅱ

芦畦獅子舞Ⅱ

 前々回の校長室だよりでお伝えした通り、8月27日(日)に、10年毎に行われる「芦畦獅子舞(あしぐろししまい)例大祭」が私の生れ育った佐野市並木町花岡で行われました。開会式では、佐野市長や教育長など来賓の方々のご挨拶のあと、本校生が作成に当たった3つの「大うちわ」が披露され、町会長様から紹介していただきました。3つのうち2つは今までのデザインを基調として作成し、もう1つは生徒が自由に描いたもので表面は浮世絵をモチーフに描き、裏面は夏らしくヒマワリをイメージして描きました。3つともこれまでの伝統を引き継ぎながらも今までとは違う鮮やかな色合いを出していくなど、とてもよく仕上がったと思っています。たくさんの方々からお褒めの言葉をいただくことができて正直ほっとしました。この「大うちわ」がこれから10年間、「芦畦獅子舞」で活躍することになって本当に嬉しく思います。作成した生徒の皆さん有難うございます。ご苦労様でした。

 さて、獅子舞は、午前8時過ぎに拠点の薬師堂(兼公民館)で舞いを披露(舞いは12曲ほどあります)したあと行列を作り1日かけて、ゆかりのある寺や神社を訪ね10年ぶりに舞いを奉納しました(7月の例祭とは異なり町内の家々は回りません)。当日も朝から気温が上がり猛暑日になり大変でしたが、午後4時頃、踊り子、笛吹きの方々をはじめ各係の皆さん全員が無事に薬師堂に帰ってきました。私も最後まで獅子舞一行のお供をいたしました。

 約750年前から何世代にも渡って継承されてきた「芦畦獅子舞」は、地元花岡の人たちにとっては宝であり誇りでもあります。これからも継承していくことは今の時代では大変な苦労と努力が求められますが、次の世代にしっかりと伝えていくことが私たちの責任であると強く感じた次第です。

            

薬師堂前で「大うちわ」の披露と紹介のあと、舞いを奉納<切り祓い>

 

                

並木町大門にある安楽寺山門前で舞いを奉納   *安楽寺は12世紀初頭に創建された古刹です

 

並木町堀之内にある二柱神社で舞いを奉納 「大うちわ」が大活躍

                                                                  

 令和10年に閉校予定の旗川小学校前を通過