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佐野日本大学中等教育学校

校長室だより

【校長室だより】芦畦獅子舞Ⅱ

芦畦獅子舞Ⅱ

 前々回の校長室だよりでお伝えした通り、8月27日(日)に、10年毎に行われる「芦畦獅子舞(あしぐろししまい)例大祭」が私の生れ育った佐野市並木町花岡で行われました。開会式では、佐野市長や教育長など来賓の方々のご挨拶のあと、本校生が作成に当たった3つの「大うちわ」が披露され、町会長様から紹介していただきました。3つのうち2つは今までのデザインを基調として作成し、もう1つは生徒が自由に描いたもので表面は浮世絵をモチーフに描き、裏面は夏らしくヒマワリをイメージして描きました。3つともこれまでの伝統を引き継ぎながらも今までとは違う鮮やかな色合いを出していくなど、とてもよく仕上がったと思っています。たくさんの方々からお褒めの言葉をいただくことができて正直ほっとしました。この「大うちわ」がこれから10年間、「芦畦獅子舞」で活躍することになって本当に嬉しく思います。作成した生徒の皆さん有難うございます。ご苦労様でした。

 さて、獅子舞は、午前8時過ぎに拠点の薬師堂(兼公民館)で舞いを披露(舞いは12曲ほどあります)したあと行列を作り1日かけて、ゆかりのある寺や神社を訪ね10年ぶりに舞いを奉納しました(7月の例祭とは異なり町内の家々は回りません)。当日も朝から気温が上がり猛暑日になり大変でしたが、午後4時頃、踊り子、笛吹きの方々をはじめ各係の皆さん全員が無事に薬師堂に帰ってきました。私も最後まで獅子舞一行のお供をいたしました。

 約750年前から何世代にも渡って継承されてきた「芦畦獅子舞」は、地元花岡の人たちにとっては宝であり誇りでもあります。これからも継承していくことは今の時代では大変な苦労と努力が求められますが、次の世代にしっかりと伝えていくことが私たちの責任であると強く感じた次第です。

            

薬師堂前で「大うちわ」の披露と紹介のあと、舞いを奉納<切り祓い>

 

                

並木町大門にある安楽寺山門前で舞いを奉納   *安楽寺は12世紀初頭に創建された古刹です

 

並木町堀之内にある二柱神社で舞いを奉納 「大うちわ」が大活躍

                                                                  

 令和10年に閉校予定の旗川小学校前を通過

 

 

 

【校長室だより】

 本日から夏休みあけの授業がスタートしますね。本校では二期制をとっていますので、4月から10月上旬までが前期、10月中旬から翌年の3月までが後期ということになります。夏休みに入る前は1か月もあると思っていた休みがもう終わりです。そして8月28日(月)からは前期の期末試験、9月8日(金)には1・2・3年生の第2回学力推移調査、そして9月28日(木)には、いよいよ6年生の日本大学基礎学力到達度テストが実施されます。

 ところで、この夏もいろいろな出来事が、日本でも世界でも起きましたね。特に私が驚いたことの一つに、4万6000年前の線虫が動き出したという記事がありました。線虫という生物は、主に土中や水中にいる生物で、昆虫類に次いで多くの種類があり、約50万種類もいると言われているそうです。線虫はまた、ヒトの肉眼では確認できないほど微小であり、植物に寄生してその栄養をとって生活する性質のため、農作物等の被害につながる害虫だそうです。今回発見され、4万6000年の眠りから覚めて動き出したこの線虫は、シベリアの永久凍土から発見されたそうで、ドイツのマックス・プランク分子細胞生物学・遺伝学研究所のチームが発表したものです。体長1ミリのこの生物には、凍結や乾燥に強いトレハロースの濃度を高める能力があるそうで、これからの研究に期待が寄せられます。

 また、世界では未だに終わりの見えないロシアのウクライナ侵攻、ハワイ・マウイ島の大規模火災、国内では台風17号の被害、続く凶悪犯罪や事故など、いつの世も、そしてどの国でも“課題”はつきません。

 しかし、わずか1ミリの命が4万6000年も生き永らえた仕組みを、わずか100年ほどしか生を保てない私たちが解明できたら、それはそれで素晴らしいことだと思います。まさに、過去からのメッセージと言えるのではないでしょうか。

 箴言に、「凡人は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とありますが、今起きている事象にも、過去に起きた様々な事象にも、目をそらさずしっかり直視し、これからの私たちの糧にできたらと思います。今日から冬休みまでの122日間を頑張って過ごしていきましょう。 (次回9月6日更新予定)

【校長室だより】芦畦獅子舞

芦畦獅子舞

 先月16日(日)に、私の生れ育った佐野市並木町花岡で、今から約750年前から伝わる「芦畦獅子舞(あしぐろししまい)」の例祭が行われました。昨年までコロナ禍のため中止を余儀なくされていましたが、今年は4年ぶりに実施することができました。なお、「芦畦獅子舞」は市の無形民俗文化財第1号として指定されています。

 この獅子舞は三頭立て(親獅子、雌獅子、子獅子)で太鼓を付け、太刀持ちや御幣持ちササラなどを伴って、午前8時に町内にある薬師堂を出発します。獅子舞一行は、笛に合わせて太鼓を叩きながら町内をねり歩きます。町内に通じる街道の入り口などで厄除の舞いを納めたり、約70戸ある町内の家々を一軒一軒回り、「五穀豊穣、無病息災、厄除」を祈願して家の前で舞い、最後には必ず親獅子が太刀を持って荒々しく舞う<切り祓い(厄祓い)>が披露されます。踊り子の交替や休憩を挟みながら夕方5時過ぎまで続けられ、最後は‟凱旋“を表現する笛の音に合わせ力強く太鼓を叩きながら再び朝出発した薬師堂に帰ってきます。

  <笛を先頭に薬師堂を出発>                              

                                      

<家々を回って舞いを披露>               

             

                              

 実は、私も中学2年生から大学生までの間、獅子舞を踊っていました。担当は親獅子で、行く先々で必ず太刀を持って“切り祓い”を披露していました。幼いころから舞いを見ながら、笛の音、太鼓の音を聞いて育った者にとって、4年ぶりに行われた「芦畦獅子舞」は本当に嬉しく感激しました。

 ところで、今月27日(日)は、この「芦畦獅子舞」が10年に1度行われる「例大祭」の日に当たります。この時に、新調した道具類を披露したり、今回初めて踊りを習った小学生や中学生が近くのお寺や神社で舞いを初披露し奉納します。そして次の10年のための大切な引継ぎの日でもあるのです。以前は、獅子頭を覆う羽根も新調していましたが、今では羽根の確保が難しくなり10年毎には行われなくなりました。

 上の写真下段の右奥に写っている「大うちわ」がありますが全部で3つあります。この「大うちわ」には獅子舞の踊りと踊りの僅かな間に大汗をかいた踊り子を扇ぐための大切な役目があります。「大うちわ」ももちろん新調するのですが、今の時代、うちわに絵や文字を描く職人さんがなかなか見つからないということで町内会長様より、本校の「美術部や書道部で作成してもらえないだろうか?」という話がありました。私の生れ育った町の伝統芸能がいつまでも継承されるのに少しでもお役に立てればということで、喜んで引き受けさせていただきました。夏休みに入り、美術部員や顧問の先生方が作成に熱心に取り組み、3つの新しい「大うちわ」がお盆前に完成し引き渡すことができました。当日は出発前に「大うちわ」の紹介とお披露目があるということです。

 今度の「例大祭」もまだまだ暑い中で行われますが、もし興味を持たれた方がいらっしゃいましたら見に来ていただければと思います。生徒たちの作成した「大うちわ」3つも、「芦畦獅子舞」に最初から最後まで付き従っていきます。是非ご覧ください。