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佐野日本大学中等教育学校

校長室だより

【校長室だより】

 本日から夏休みあけの授業がスタートしますね。本校では二期制をとっていますので、4月から10月上旬までが前期、10月中旬から翌年の3月までが後期ということになります。夏休みに入る前は1か月もあると思っていた休みがもう終わりです。そして8月28日(月)からは前期の期末試験、9月8日(金)には1・2・3年生の第2回学力推移調査、そして9月28日(木)には、いよいよ6年生の日本大学基礎学力到達度テストが実施されます。

 ところで、この夏もいろいろな出来事が、日本でも世界でも起きましたね。特に私が驚いたことの一つに、4万6000年前の線虫が動き出したという記事がありました。線虫という生物は、主に土中や水中にいる生物で、昆虫類に次いで多くの種類があり、約50万種類もいると言われているそうです。線虫はまた、ヒトの肉眼では確認できないほど微小であり、植物に寄生してその栄養をとって生活する性質のため、農作物等の被害につながる害虫だそうです。今回発見され、4万6000年の眠りから覚めて動き出したこの線虫は、シベリアの永久凍土から発見されたそうで、ドイツのマックス・プランク分子細胞生物学・遺伝学研究所のチームが発表したものです。体長1ミリのこの生物には、凍結や乾燥に強いトレハロースの濃度を高める能力があるそうで、これからの研究に期待が寄せられます。

 また、世界では未だに終わりの見えないロシアのウクライナ侵攻、ハワイ・マウイ島の大規模火災、国内では台風17号の被害、続く凶悪犯罪や事故など、いつの世も、そしてどの国でも“課題”はつきません。

 しかし、わずか1ミリの命が4万6000年も生き永らえた仕組みを、わずか100年ほどしか生を保てない私たちが解明できたら、それはそれで素晴らしいことだと思います。まさに、過去からのメッセージと言えるのではないでしょうか。

 箴言に、「凡人は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とありますが、今起きている事象にも、過去に起きた様々な事象にも、目をそらさずしっかり直視し、これからの私たちの糧にできたらと思います。今日から冬休みまでの122日間を頑張って過ごしていきましょう。 (次回9月6日更新予定)

【校長室だより】芦畦獅子舞

芦畦獅子舞

 先月16日(日)に、私の生れ育った佐野市並木町花岡で、今から約750年前から伝わる「芦畦獅子舞(あしぐろししまい)」の例祭が行われました。昨年までコロナ禍のため中止を余儀なくされていましたが、今年は4年ぶりに実施することができました。なお、「芦畦獅子舞」は市の無形民俗文化財第1号として指定されています。

 この獅子舞は三頭立て(親獅子、雌獅子、子獅子)で太鼓を付け、太刀持ちや御幣持ちササラなどを伴って、午前8時に町内にある薬師堂を出発します。獅子舞一行は、笛に合わせて太鼓を叩きながら町内をねり歩きます。町内に通じる街道の入り口などで厄除の舞いを納めたり、約70戸ある町内の家々を一軒一軒回り、「五穀豊穣、無病息災、厄除」を祈願して家の前で舞い、最後には必ず親獅子が太刀を持って荒々しく舞う<切り祓い(厄祓い)>が披露されます。踊り子の交替や休憩を挟みながら夕方5時過ぎまで続けられ、最後は‟凱旋“を表現する笛の音に合わせ力強く太鼓を叩きながら再び朝出発した薬師堂に帰ってきます。

  <笛を先頭に薬師堂を出発>                              

                                      

<家々を回って舞いを披露>               

             

                              

 実は、私も中学2年生から大学生までの間、獅子舞を踊っていました。担当は親獅子で、行く先々で必ず太刀を持って“切り祓い”を披露していました。幼いころから舞いを見ながら、笛の音、太鼓の音を聞いて育った者にとって、4年ぶりに行われた「芦畦獅子舞」は本当に嬉しく感激しました。

 ところで、今月27日(日)は、この「芦畦獅子舞」が10年に1度行われる「例大祭」の日に当たります。この時に、新調した道具類を披露したり、今回初めて踊りを習った小学生や中学生が近くのお寺や神社で舞いを初披露し奉納します。そして次の10年のための大切な引継ぎの日でもあるのです。以前は、獅子頭を覆う羽根も新調していましたが、今では羽根の確保が難しくなり10年毎には行われなくなりました。

 上の写真下段の右奥に写っている「大うちわ」がありますが全部で3つあります。この「大うちわ」には獅子舞の踊りと踊りの僅かな間に大汗をかいた踊り子を扇ぐための大切な役目があります。「大うちわ」ももちろん新調するのですが、今の時代、うちわに絵や文字を描く職人さんがなかなか見つからないということで町内会長様より、本校の「美術部や書道部で作成してもらえないだろうか?」という話がありました。私の生れ育った町の伝統芸能がいつまでも継承されるのに少しでもお役に立てればということで、喜んで引き受けさせていただきました。夏休みに入り、美術部員や顧問の先生方が作成に熱心に取り組み、3つの新しい「大うちわ」がお盆前に完成し引き渡すことができました。当日は出発前に「大うちわ」の紹介とお披露目があるということです。

 今度の「例大祭」もまだまだ暑い中で行われますが、もし興味を持たれた方がいらっしゃいましたら見に来ていただければと思います。生徒たちの作成した「大うちわ」3つも、「芦畦獅子舞」に最初から最後まで付き従っていきます。是非ご覧ください。

【校長室だより】

 学校では今週末から夏休みが始まります。夏休みの最中、全学年を対象に、各日程・各内容にて夏季セミナーが実施されます。勉強はもとより、東北地方への研修旅行や部活動など、生徒各自がそれぞれの活動に主体的に取り組む休みになります。

 思い出してみると、ある程度のボリュームのある物事を、一定期間集中的にかつ深く取り組むことのできる休みは夏休みしかありませんでした。そして、夏休みが終わった後に、思いのほか成長を実感することもできました。これは、勉強にしてもスポーツにしても趣味にしても同じことです。

 ただここで大切になってくるのが、「主体的に」というキーワードです。

 物事はいくら“言われた通り”やっても意味がないことは当然の真理ですが、私たちはえてして“言われた通り”にやろうとします。表面をなぞるだけの、薄い取り組みで満足しようとします。つまり、「言われた通りにはやりましたよ」となってしまうことです。

 ところで、「心を込めて」という言葉は、最近ほとんど聞かなくなりましたね。私はこの言葉が大好きです。もちろん良くないことに“心を込め”てはダメですが、結果をあまり意識せず、目前の一事に集中する。過程(プロセス)を大事にする。そうすると結果は自ずとついてくるのだと思います。「主体的に」とは本来、このようなものなのではないでしょうか。

 梅雨明けが待たれるところですが、連日猛暑が続いています。体調に留意し、やるべきことに“心を込め”て取り組む夏にしていきましょう。 (次回8月23日更新予定)