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佐野日本大学中等教育学校

校長室だより

【校長室だより】

 5年生のオーストラリア研修旅行が無事終了し半月が経過しました。普段の教室では得られない様々な体験や貴重な出会いを通して多くのことを学んだことと思います。学んだことの「証」は自身が変わることです。そして生徒の皆さんが内面的に大きく成長することを期待しています。

 学校では、11月3日(木・祝日)に運動会が行われました。コロナ拡大前までは、毎年スタジアム30を使って、佐野日大高校と合同で大々的に体育祭を行っていましたが、今回は規模は小さく半日で、しかも中等だけではありますが、3年ぶりに開催することができました。

 競技は、玉入れ、借り人競争、ステージ対抗リレー、部活動対抗リレー、綱引き、長縄跳び、選手リレーの順序で行われました。生徒たちは、限られた時間の中でコツコツと準備や練習を重ねてきました。校長室にいても、体育館から長縄跳びの練習に取り組む生徒の歓声が聞こえてきました。当日は好天に恵まれ、晩秋の空の下、力いっぱいクラスの団結力や練習の成果を発揮していました。上級生は各競技の招集や競技に使う道具類の準備など手際よく行い、スムーズに各種目が進行できるようにしていました。さすが5、6年生です。生徒の誰もが仲間と笑顔で楽しそうに、しかも真剣に取り組む姿を見て、この運動会ができて本当によかったなと思った次第です。特に6年生は後期課程になり1度も体育祭を経験していませんでしたので、今回の運動会はかけがえのない思い出になったのではないでしょうか。また多くの保護者の皆様にもご来場いただきまして心より感謝いたします。準備不足は否めないとは思いますが、コロナ禍に負けない生徒たちの姿をご覧いただけたと思います。

 中等教育学校の教育目標は「磨こう心」「輝く知性」「拓こう未来」です。そして、教育上のコンセプトは「できるを重ねる6年間」です。それは、その生徒なりの「できる」を重ねていくことであって、全員が一番になることではありません。人はどんな状況にあっても、その状況のなかで自分ができることを探すこと、そして今の自分より成長していくことを通して、自己肯定感を高め、そこにこそ人生の喜びを感じる、ということだと思います。世の中は分業で成り立っていますので、自分の持つ唯一無二の能力を、どう世の中に生かすか、そしてそのために自分のなかの、どんなスキルに磨きをかけていくべきかを考えながら、日々の学習活動に取り組んでいってほしいと思います。

 さて、来週からはいよいよ後期中間試験が始まります(4・5・6年生は11月14日から、1・2・3年生は15日から)。その後、11月24日・25日には4年生の国内研修(日光)、12月1日~3日には3年生の国内研修(京都・奈良)が行われる予定です。そして6年生は年明けの大学入学共通テストやその後の一般入試に向かってまさに胸突き八丁にさしかかっている時期です。

 各学年が、そして各自が持つ様々な目標に向かって、「できるを重ねる日々」を送ってほしいと思います。                            (次回11月24日更新予定)                                      

【校長室だより】

 今月、本校では希望者による東北研修(10月8日~10日)、5年生の海外研修(10月16日~23日)、芸術鑑賞会(10月25日)が無事に終了し、また本日は第2回目となる防災教育が実施されました。

 学校での営みには、すべて教育的目標がありますが、「何かを得ること、身に付けること」そのものよりも、そこに至る過程(プロセス)にこそ重要な意味があります。私はその中でも特に「聴くこと」に重きを置くといいなと思っています。

 実は私は、教師になる前はある企業に勤務し経理部に所属していました。全ての業務がそうであるように、経理の仕事にもミスは許されません。経理の仕事の相手は数字です。数字が一つ違っても大変なことになります。企業内でもそうですが、他の企業や商売相手へのミスとなると、「ごめんなさい」ではすまされません。場合によっては、自ら責任を取らなければならない場合もあります。これは大学を出たばかりの新入社員でも、まったく同じです。毎日の業務の中で大学を出たばかりの私は、上司の指示を一言も聞き漏らすまいと集中して聴き、そしてメモを取りました。しかし、聴いて記録を取ってもその業務が具体的に何をどうする事なのか、イメージすることすらできません。すべて未知のことですからね。でも、業務の最初にくる「聴くこと」がしっかりできなければ、そこから先は推して知るべしです。

「聴くこと」がすべての始まりです。大きく捉えれば「情報に対する集中力」ですね。これがしっかり習慣になってくると、「できること」が増えてきます。これは間違いありません。

 過去に教えてきた生徒たちで、大学入試で希望をかなえた生徒は、授業中に大事なポイントになるとサッと顔が引き締まって、真剣な表情で聴いていたことを思い出します。この点について、例外はありませんでした。

 「聴くこと」は意識づけが難しい。でも、逆に言えば、意識していれば誰にでもできることです。

 さて、学校では、6年生は受験も迫ってきています。4・5年生は各種模試が続きます。また、漢字検定、数学検定、英検二次試験、そして11月の中旬には後期中間試験が予定されており、またその後には4年生、3年生の国内研修が待っています。聴くことを中心に、目前の情報に集中する「学びの秋」であってください。                     (次回11月9日更新予定)

【校長室だより】

 本校では、本日から後期に入りました。生徒のみなさんは、前期の間本当によく頑張りましたね。

 さて、まずこれからの大きな行事についてご紹介します。10月14日(金)・15日(土)には佐野市中体連があります。3年生が引退し、2年生以下の新人戦になります。そして16日(日)~2日(日)が5年生のオーストラリア海外研修、11月24日(木)・25日(金)には4年生の国内研修(日光自然観察と世界遺産)、12月1日(木)~3日(土)には3年生の国内研修(奈良・京都方面)がそれぞれ予定されています。各学年の生徒たちが、無事に、そしてそれぞれの目的を達成し、一回り大きくなって帰ってくることを願っています。

 10月も半ばになりましたが、これからの時期は天候も安定することが多くなり、一つのことに集中して取り組むには最適な時期になります。「読書の秋、勉学の秋、芸術の秋」などと言われるのも、一年の中で、何かに集中し、大きな成果を出すことができる好機だと、昔の人も実感していたのかもしれません。

 特に6年生は、日本大学基礎学力到達度テストも終わり、それぞれの進路に向けて、“何もかも忘れて取り組む時期”に入りました。本校での6年間も、あと4か月足らずですが、卒業式に悔いのない熱い涙を流せるよう、これからの日々を充実させてください。自分の6年間に悔いが残ると、熱い涙は流れません。

 「Fruit of Monotony」という言葉があります。日本語では「単調さの結実」と訳します。私はこの言葉を受験時代に英語を担当していただいた恩師から教わりました。今でも忘れずに覚えている、とてもいい言葉だと思います。

日々繰り返す単調なルーティンが、薄い紙を一枚一枚重ねていくように、気づけば十分な厚みを持ったものになっていく。何かを促成的に、付け焼刃的にこなすのでなく、十分な時間をかけて真摯に取り組むことでしか到達できない成果であり、境地です。

 6年生のみなさんは、人生の一時期、たとえば「受験」という限られた期間、余計なことはあまり考えず、真剣に集中してもいいのではないか。いや、するべきではないかと思います。そして1~5年生のみなさんには、そんな6年生の姿をしっかり見ておいてほしいと思います。

 実りの秋を迎えますが、本校における本当の収穫の時期は、最終的に進路が決定する来年3月になります。各学年のみなさんが、それぞれの実りの秋を迎えることを、そしてFruit of Monotonyを手に入れることを祈っています。  (次回10月26日更新予定)