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佐野日本大学中等教育学校

校長室だより

【校長室だより】

 1月も残り少なくなってきました。先週20日が「大寒」でした。一年で一番寒い時期に入ってきました。暖冬が続いていましたが、今年の冬はどうなのでしょうか。ここ数日来ニュースや天気予報で、今日から明日にかけて10年に1度の厳しい寒波が日本列島にやって来るということです。雪が降るのでしょうか。雪が降るとふだんの街や田畑、周囲の山々の景色が一変しますね。交通への影響など、よくない面もありますが、季節の移り変わりは、私たちが豊かな四季の恵みの中で暮らしていることを思い出させてくれます。清少納言の著した「枕草子」の冒頭に次の一節があるのをご存じだと思います。

 

 

    春はあけぼの。やうやう白くなりゆく、山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲の

   細くたなびきたる。

    夏は夜。月のころはさらなり、やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただ

   一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。

    秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、からすの寝どころへ行くとて、

   三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などのつらねたるが、いと

   小さく見ゆるはいとをかし。日入りはてて、風の音、虫のねなど、はたいふべきにあらず。

    冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと

   寒きに、火など急ぎおこして、炭もてわたるも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるび

   もていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。

 

 

 春や夏に比べ、秋と冬の描写が多くかつ細かいのは、清少納言の美意識の表れかと思います。また、春は夜明けが良い、夏は夜が良い、秋は夕暮れが良い、冬は早朝が良いと、陽光まぶしく明るい真昼ではなく、少しかげりのある時間帯に美しさを見出しています。この視点も、平安時代に培われた日本的美意識の原点ではないかと思われます。

  さて、学校では、いよいよ大学入試が本格化します。日本大学以外の大学を目指す6年生は、各自の志望大学合格を目指し、私立大学の一般入試、国公立大学の前期試験、中期試験、後期試験に臨んでいきます。また1~5年生には2月中旬に今年度最後の後期期末試験が控えています。

 時間は着実に動いています。同じ経験は二度とできません。私たちには、前に進むという選択肢しかありません。夏の暑さも冬の寒さも、その裏で何らかの恵みをもたらすように、人生の分かれ道となる大学受験や様々な試験も、生徒諸君にとって何らかの成長をもたらす「恵み」であると思います。私自身も受験によって真剣に学ぶことの尊さを学びました。

 6年生諸君には残り少ない学校生活に有終の美を飾るように、1~5年生諸君には4月からの新たな学年での飛躍を目指し、今の季節を元気に歩んでいってください。(次回2月17日更新予定)

【校長室だより】

 皆さん、新年あけましておめでとうございます。新しい年、2023年、令和5年を迎えました。今日から学校は始まりました。生徒の皆さんが、休み中、大きな事故、怪我もなく、本日いっしょに全校集会を迎えることができてうれしく思いました。今年のお正月は天候に恵まれ、神々しく昇る初日の出を拝むことができました。また、私の住む佐野市内からは、南西に富士山、西に浅間山、北に日光男体山、東に筑波山を望むことができます。私は、この一年が素晴らしい年になるようにと思いを新たにした次第です。

 さて、今週末にはいよいよ大学入学共通テストが実施されますね。本日11時から6年生の「出陣式」も行いました。佐野市内の高校は、足利市内にある足利大学が試験会場になります。12月8日版の校長室だよりでも書きましたが、新聞やネット等に問題が掲載されますので、1~5年生の生徒のみなさんも、そしてできれば保護者のみなさまも目を通してみるとよいと思います。

 さて2023年の年頭に当たり、私からは「目標」についてお話したいと思います。「目標」と聞くと多くの人が、「達成しなくてもよいもの」と感じてしまうのではないでしょうか。実はその原因のほとんどは、目標と現在の状況との「距離」にあると言われています。つまり、目標が遠すぎたり高すぎたりして、現実感が湧かないのですね。これはみなさんが過去に達成できなかった目標を思い出してみても言えることだと思います。「別に達成できなくてもいいや」と。私も同じです。

 ではどうすれば「達成しなくてもよい目標」から「実現に向けてやる気の出る目標」に変えることができるのでしょうか。そう、みなさんが思っている通り、「できることからやる」ことです。「千里の道も一歩から」です。何かの本で、あるプロ野球選手のピッチャーが、コンディションがよくない時に、「試合でチームが勝つこと」ではなく「ピッチングの時の軸足にしっかり重心を乗せることだけを意識した」というエピソードを読んだことがあります。結果として試合には勝ったそうですが、目標をできることに切り替えたこと、つまり現在の自分に実行可能な行動への集中が功を奏したわけですね。

 2023年はどんな年になるでしょうか。そしてみなさんはどんな年にしたいですか。私たちは、未来を思い描くことや過去を思い出すことはできますが、実際にかかわれるのは「現在(いま)」だけです。幸福な未来をイメージしながら、でも現在(いま)の行動に集中する。そんな一日一日を送ってください。私もそうしたいと思います。

 このホームページをご覧になっている方が、真に充実した日々を送られることを願って、2023年令和5年最初の校長室だよりといたします。

 本年も、どうぞよろしくお願いいたします。(次回1月24日更新予定)

新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。

旧年中は本校教育にご理解とご協力いただきまして誠にありがとうございます。
新しい年を迎え、本年が皆様にとりまして素晴らしい年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

教職員一同、気持ちを新たによりよい学校づくりに邁進してまいります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
                                2023年(令和5年)元旦
                               佐野日本大学中等教育学校長
                                      舩渡川 重幸