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佐野日本大学中等教育学校

校長室だより

【校長室だより】

 今の季節はまさに「麦秋」という言葉がぴったりですね。私もこの時期には、通勤するルートの麦畑を見てその実りを感じるところです。「麦秋」は麦の穂が実り、収穫の時期を迎えるちょうど今頃からの時期を言います。なぜ初夏なのに「秋」がついているのかというと、麦が熟しちょうど収穫する時期、つまり「収穫の秋」であるからだそうです。

 またこの時期には、麦畑の上空をヒバリが舞っています。ヒバリは麦畑から突然鳴き声をあげながら垂直に飛び上がり、かなり高いところまで行くとホバリングしたり、ゆっくり移動したりしながら鳴き続けます。その時のさえずりを「高鳴き」と呼んでいます。自分の巣に戻る際は、「高鳴き」を止めあっという間に上空から垂直に急降下します。私たちが舞い降りた付近を捜しても、ヒバリの巣は見当たりません。ヒバリは賢い鳥ですね。直で自分の巣には戻らないのです。小学校1年か2年生の頃ですが、1度だけヒバリの巣を見たことがあります。丁度今頃の季節でしたが、友人の祖父が麦の刈り取りをしていた際にヒバリの巣を見つけたとのことで見に行きました。巣の付近は麦の刈り取りをしないで残してくれていました。巣は地面に作ってありました。まるで草を編んだかのようにお椀型をしているその巣の中には、卵が2~3個あったように記憶しています。今でもヒバリの鳴き声を聞くと、小学生時代に毎日のように野原で仲間たちと夕暮れまで夢中で遊んだことが蘇ってきます。ちなみに私はヒバリの「初鳴き」の日を記録しています。もちろん私自身が住んでいる所(佐野市内)で耳にした日ですが、過去5年間をみると、2019年が2月3日、2020年が2月16日、2021年は2月6日、2022年が1月27日、今年は何と1月14日でした。また私の勤務する学校の西側には旗川という川が流れています。周囲は雑木林が広がっています。春になると、様々な鳥たちが鳴き始めます。例えば、ウグイス、キジ、ミソサザイ、ホトドキスなどですが、他にもいろいろな鳥の鳴き声が聞こえてきます。私たちの身近なところでは、今ツバメをよく目にします。しかし、昔に比べると、ツバメやスズメが随分少なくなったと実感します。

 さて、学校では前期中間試験が終わりました。次の大きな試験が夏休み明けの前期期末試験であることを考えると、ここから夏休み明けまでの約90日は、物理的には空白の期間になります。しかし、「何もないから何もしない」とは考えないでほしいなと思います。「麦秋」の名の通り、麦がしっかり実りの時期を迎えられたのも、鳥たちが今何のために活発に活動しているのかも、すべては「準備」によるものであるのは間違いありません。植物や動物たちは、移り行く季節の中で本能によって準備するタイミングを知り動き始めます。人間は「理性」によって先にあることを意識し、「意志」によって実際の行動に移します。放っておけば自然とやる気になることは少ないのではないでしょうか。先を見、理性と意志をもって準備を始める。そんな初夏であってほしいと思います。(次回6月7日更新予定)

【校長室だより】

 4月6日の始業式から約1か月が過ぎました・・・。とにかく慌しい日々だったのではないかと思います。それでも、結構長かったゴールデン・ウィークで少しはゆとりある生活をエンジョイした人も少なくないでしょう。しかし、それだけにこれから生活のリズムを作っていくのも少し大変かもしれません。5月はある意味学校生活の再スタートの月とも言えます。何となく“気持ちが重い人”、“体が疲れている人”・・・いませんか? 気持ちを切り替えてお互いに頑張りましょう。

 中等教育学校での6年間は、皆の人生の中で最も輝かしい「生きているんだ」ということを実感できるかけがえのない「青春」そのものなのです。心身ともに一大成長を遂げるこの最も大切な時期を、若者らしい意欲と、生き生きとした行動力を持って、主体的に自分の未来を切り開いていけるような人になってほしいと願っています。                   (次回5月24日更新予定)

【校長室だより】

 明日はバスに乗っての「遠足」です。何といっても遠足は行く前が楽しいものです。天気のこと、弁当のこと、おやつのこと、集合時間のことなど、カレンダーを見たり、予定表をもらったりで、既に行く前から始まっています。期待が大きければ大きいほど心が弾むものです。各学年目的地はそれぞれ異なりますが、どうか安全には十分留意して、仲間たちと楽しい時間を過ごしてください。

 また、もうすぐ連休に入ります。本校では4月28日から5月7日までが休みになります。しっかり体と心のメンテナンスをして英気を養うとともに、家族との交流をはかってください。また連休明けの学習を確認して、授業にスムーズに入れるよう準備をしておくことも忘れないでください。

 ところで、新緑が美しい良い季節になってきましたね。最近は季節が早まった感がありますが、四季があり、季節ごとの風物がたくさんある私たちの住む日本は本当に素晴らしいと思います。この風土によって生み出された様々な生活習慣や文化には、繊細な感性が込められています。そしてこの繊細な感性は、どんなに人工知能が発達しても、おそらく再現できないものだと思います。この感性はこれからも大切にしたいものです。科学の進化は止めようがありません。しかし、私たちが意識することで、進んでいく文明の流れの中に、人間的な感性を盛り込むことは可能だと思います。

 4月に入ってから、何かと忙しい日々を過ごしてきました。このゴールデンウィークの期間を利用して、ちょっと心と体の働きを緩めて、日の光の移ろいを、頬に感じる風のゆらぎを、植物たちの姿や香りを感じてみてはいかがでしょうか。 (次回5月10日更新予定)